━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━       □■□ 緊急提言! 経営幹部の皆様へ □■□ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  コラムが大変に遅くなり、申し訳ありませんでした。  今月は、上記の標題で発信しなければ、との思いになる様々な出来事に遭遇  致しました。  今般、海外でのカウンセリングを実施してきました。日本の海外駐在員の方  のご不幸があったとの報告を受けての、私自身が志願しての渡航でした。  日程を凝縮して、全駐在員の方々の面談を実施し、早期教育が再発防止には  急務と判断して夜のセミナーを行ない、現地の病院へ出向いての情報提供と  治療依頼等々を行なってきました。  原因は、上司によるすざまじいパワーハラスメントでした。  詳細は記載できませんが、それでなくても心理的負荷が高い海外勤務の社員  の方を、守るどころか精神疾患を発病させるまで追いこみ、尊い命を無にさ  せてしまった痛ましい現実でした。  この様な上司によるパワーハラスメントによって精神疾患を誘発させ、現に  治療を受けている方々というケースに、私は毎日のようにカウンセリングル  ームで遭遇します。  どこの組織であっても、大なり小なり必ずパワハラは存在します!  その現実を、どうか経営者や幹部管理職の方々は、わが身の事として現実を  直視して、受け入れていただきたいと切望致します。  ○ 上司のパワハラによって、体重が10kg以上減少し、吐き気・頭痛・    めまい等の強い不定愁訴が出て、睡眠障害、食欲低下になり、その上司    が傍を通ると手が震えて動悸が激しくなってしまった方がいました。外    来での診断結果は神経症でした。  ○ 前任上司によって毎日毎日追い詰められ、数ヶ月前には、縄を手にして    首にかけてしまった部下の方もいらっしゃいました。  ○ 上司の執拗な人権を無視したパワハラによって、同職場で数名のうつ病    が発症して何名かは退職せざるを得ない程になってしまいました。が、    その現実を経営者は知らないために、そのパワハラ上司は次期昇格して    いきました。  ○ パワハラ上司が行なう会議では、毎回きまって怒鳴れ叱られるだけだか    ら、参加すること自体が相当の負荷になり、閉塞感・やる気がなくなっ    ていき、抑うつ状態となってしまいました。                              −−−−等々。  こういうパワハラ上司に、私は産業カウンセラーとして面談を申し入れます。  今後2度と犠牲者を出さないための施策として最重要だと確信しているから  です。  面談をしてみると、共通事項が見えてきます。パワハラ上司のその上の上司  や役員には大変に評判・評価が良い。ごますり上司の方もいます。重篤な慢  性身体疾患がある方。  多く見られるのは、家庭が不安定の方、です。シェルターや癒しの場である  筈の家庭にいろいろ抱えている感情があって、それを家庭で処理出来ずに職  場に持ち込んでいるのです。  自分にもう精神的余裕がないから、当り散らす・怒鳴り散らす等々感情のコ  ントロールが不可になり、職権を乱用してストレス発散を職場でしているの  です。  面談した上司・役員等に、私は何人にもご自身が心療内科や精神科へ受診す  る指示を出しました。そうしなくては、部下が全て犠牲者になるからです。  又そんな進言は、現状をわかっていても同じ職場の方々は絶対に言えません。  解雇を覚悟しなくては言える内容ではないからです。  だから、第3者の進言が必要なんだと思います。  精神疾患の切り口からその組織の経営マネージメントをしていくこと、働く  命が軽んじられている職場環境に最初の風穴を開けることこそが産業カウン  セラーの仕事であります。  そして、経営者の皆様が現実を真正面から受け止めて、改善改革をしていか  ない限り、職場のメンタルヘルスは無力と化すと実感しています。  だから私は、セミナーを役員会で実施させて頂いています。  EAPと同時にMAPも最重要事項です。  経営者や幹部管理職の方々へ緊急提言させて頂きたいのは、絶対に命を追い  詰めてはならない、命より重要な仕事なんてあり得ないし、命より重い役職  なんて決して存在しないんだ、という事です。  私の父も経営者でした。私自身も長く法人経営をしてきました。  だから、経営者や幹部管理職の皆様の耐え難い苦労を日々こなしながら経営  をされている現実はよくよく我が身を以ってわかります。  それでも敢えて提言するのは、あまりにも命が大切にされていない、という  現実がどんな組織にも身近にあるからです。  私は、今月から経営者や幹部管理職の方々へのカウンセリングを広報し始め  ました。  アメリカなどは、経営者には弁護士とカウンセラーが必須アイテム、という  社会ですが、日本の経営者もそろそろ専任カウンセラーの存在が必要な時代  になってきたのではないかと思います。  と同時に、私が経営者の方々にお会いして実感するのは、真剣な覚悟を持っ  た進言を待っている、ということです。  このコラムを読んでいる産業カウンセラーの同志の方々に、命を守る真剣さ  を組織TOPの方々に言っていくことをお願いします。  どうぞ、働くひとりひとりが「気持ち良く働いて、良い仕事が出来る」ため  に今何ができるのか、を一緒に考えながら社員の方との人間関係を再構築し  ていただきたいと思っております。  今日は台風一過での熱風がきています。温暖化で35℃と聞いても驚かなく  なってしまいましたが、夏本番ですので、水分補給をしながら踏ん張ってい  きましょう、ね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━