━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━          ◇◆◇ 2006霜月のコラム ◇◆◇  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ *朝の空気が凛としてきて、初霜の季節になりましたね。皆さん、お元気ですか。 今月は私の誕生月。既に独立してあちこちで暮らしている子供達やその恋人か ら朝一でお祝いメールが届き、その真心に温かい元気をもらいました。 そう蠍座で、B型なのです。家人はどうにもならないと長年じゃじゃ馬馴らし をしてくれています。 *毎日カウンセリングの現場にいると、人間てすごい、という場面に出会うこと が多々あります。心療内科に通院している社員の方々ですが、こころの疾患を 患っていても回復の過程で人間的に一回りも二回りも大きくなっていく方がい らっしゃいます。 一番辛い大変な時期を見てきた私としては、何にも代え難い勇気をもらう場面 でもあります。反対にどんなに周りが支援をしても、本人に病識がなかったり、 認知の歪みを受け入れずに修正を拒否している方々は、治療がいつまでも長引 いているように見受けられます。 *最近読んだ本の中に聖路加国際病院の先生方が執筆された「生活習慣病がわか る本」があります。認知=ものごとの見方・受け取り方・考え方、は人それぞれ にくせがあったり陥り易い傾向があったりします。それによってストレスを感 じ易くしていませんか、という内容がありました。 「心がつらくなる考え方をしていませんか。皆さんは目の前の現実そのものが 幸、不幸の性質をもっているとお考えかもしれません。しかし、必ずしもそう とは限りません。私達のものの見方、考え方、即ち認知によって幸、不幸が決 定されている場合が多いのです。 ストレスを感じやすくする認知のゆがみ・9つのパターン→陥りやすい心のク セは全部で9つ。 @独断で決めつける=証拠が少ないのにそうに決まっていると推論し決めつけ てしまう。 Aオールオアナッシング=物事を白か黒、ゼロか全てというように二極化して 考える。 B木を見て森を見ず=自分が関心がある事柄だけを見て全体を見ない。 C過大評価もしくは過小評価する=自分の関心事は大きくとらえ、逆に自分の 予測に合わない部分は小さく見る。 Dこうあるべきだ、が強い=〜べき、〜べきでなかった、というものさしだけ で判断する。 E一事が万事と考える=悪いことが起きると今後も同じようになると考える。 F何でも自分が悪いと考える=何か問題が生じると自分だけに原因があると考 える。 G感情から判断する=悲観的な方へ方へと感情本位で考え事実を判断する。 H勝手な予言にとらわれる=何か始める前に否定的な予言をし、思ったとおり と否定的な予言に確信をもつ悪循環に陥る。 私たちはそれぞれの認知のフィルターを通して現実をながめ、主観的に判断 している場合が少なくありません。 そうした判断は「事実」と一致することもありますが、「ゆがめられた認知」 によって「そう見える事実」に人はストレスを感じることがあります。 色メガネに例えるなら、赤いレンズのメガネをかけて物事を見るくせのある 人は、何を見ても赤く見え、青いレンズなら青く見えるようなものです。 ストレスを感じた時は、ちょっと立ち止まり自分が色メガネをかけて物事を 見ていないかをチェックし、これを習慣にして、どのような認知のパターン に陥りやすいか心のくせを知っておくことが、柔軟に物事をとらえ、ストレ スに対する抵抗力を養うのに役立ちます。」 *本当にその通りだな、と感じました。自分自身で心が辛くなる考え方をして いるのです。それに気づいてもらいたい、と職域でカウンセリングをしてい るのですが、なかなか長年の認知の修正は大変です。しかし、本当にそうだ な、女房と同じことを言われて気がつきました等々、素直にご自身の認知の くせを知って修正のトレーニングが出来る人は、精神疾患も早く回復して人 間的にも大きくなっていくように感じます。 変えられるのは「自分だけ」。 襟を正して真摯に向かい合いたい真実だと思います。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━