━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━            □■□ 2007 May □■□   〜タフでなければ務まらない〜  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━         *発信が遅れてすみませんでした。休み明けに自殺が多いは定説ですが、5月連  休明けに発生した「死にたい」と訴えてきた方々や未遂前の対応に追われてい  ました。  マスコミからも多くの悲劇が報道されていますが、現場に奔走する私がひとつ  だけ声を大にして訴えたいのは、「していい自殺は絶対に無い」ということで  す。緊急で駆けつける人達に共通しているのが、孤独感です。家庭の中で、職  場の中での底知れない孤独感です。話せない、言えない、自分を責める、追い  込む、すまない等。  本人から、こんなに辛いのならいっそと思って・・は現場で良く聞く魂の叫び  です。心理的に視野が狭窄になってしまうから、死んでしまえば、に繋がって  しまうのです。  どんな問題があっても、何らかの解決方法は有るし、それに精神的な治療が加  わっていけば、していい自殺は決して無いのです。 *ここに最近届いた1通の手紙があります。緊急対応をした方からのものです。  先日は、こんな私の話を一生懸命聞いて下さり、ありがとうございました。自  分なりに色々と考えて別の病院で診てもらうことを決意しました。幸い今度の  新しい主治医はとても話しやすく、親身になっていろいろと聞いてくれてます。  今はとても落ち着いていて、少しずつ家事も外出もできるようになりました。  本当にありがとうございます。藤井先生から言われた、絶対に死んではいけな  い、守るから、というお言葉、一生忘れません。私、生きていきます。 *こんな日々の中で、産業カウンセラーはタフでなければ務まらない、を痛感し  ます。数年の臨床経験を積んだカウンセラーの雛達でも、現場は相当にシビア  で過酷です。  社会現実の厳しさに圧倒されて自分を見失いそうになる人、ケースカンファレ  ンスでの事例を自分と同一視してしまう人、様々な難問に即応を求められてど  う対応していいか判断できなくなってしまう人。また、カウンセラー以前の本  人の社会人としてのキャリア不足や企業人としてのスキル未熟が露呈されてし  まう人、等々。   *カウンセリングをするという事は、自分自身と真剣に向き合う事です。自分と  の厳粛なまでの対座が出来なくては、根本的に適性として難しいと私は判断し  ています。  何があっても自身の軸が揺れることなく、揺れても軌道修正が出来る柔軟性が  無いと自身を追い込んでしまいます。且つ、産業カウンセラーとはただ傾聴す  るだけでなく、マネージメントの指導や経営コンサルまで求められます。カウ  ンセリングのスキルだけでは通用しない程、現場は難題が山積しているのです。  その度に動揺したり自分を見失っていては、業務遂行が不可能となります。  どんな事案があったとしても跳ね返せるタフさ、は必須条件です。それがない  と務まらないし続かないな、と実感している毎日です。 *ストレス発散方法をセミナーで講義していますが、本当に必要なのは我々カウ  ンセラーこそです。私も出産子育て期間を通して、ずっと仕事を継続している  キャリアですが、今までの仕事は何だったのかと思う位に、カウンセリングは  相当に心身を酷使する仕事です。どうか、ご自身と向き合う作業を逃げること  なく、器の大きな人間性のあるカウンセラーを互いに目指していきたいもので  す。お身体ご自愛下さいませ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━