━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━           ◇◆ オノマトペでのカウンセリング ◆◇ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ *「オノマトペ?何のこと?」私も最初聞いた時には知りませんでした。  滋賀医大精神科ではオノマトペでのカウンセリングを行っているというTVでした。  オノマトペとは、擬音語・擬声語・擬態語のことでフランス語onomatopee。  例えば雨を表現する日本語のオノマトペは、・ザーザー・しとしと・ぽつりぽつり  ・ぱらぱら・ポタポタ・ぴちょんぴちょん・ゴーゴー・たらたら・さらさら 等。  “美味しいパン”を“もっちりパン”にしたら、売上が5倍になったそうです。 *このオノマトペがカウンセリングの現場で有効なのです。  『不安』と言っても人それぞれ感じ方は様々です。  ・ぞぞっ・キリキリ・ワー!・ふわふわ・ザザッー・ドキドキ・むにょむにょ  ・モニョモニョ、等々。この全てが不安を表現してもらった時の言葉です。  本人が自分のこころの状態を簡単に表現できて、わかるようになる効果があります。  私の顧問先社員さんには、「自分のこころをオノマトペで言ってみると、そうなんだ  と今の自分がどういう状態なのかがわかるようになりました」と言ってくれた方も  います。実感を言うことで、こころは軽くなるのです。 *感情を表現してもらいたいカウンセリング現場で、なかなか自分の今のこころの状  態を表現できない若者達と多く出会います。  その中には幼い時にいじめを受けて、自分を守るために自己主張せずに今まできた  人達が沢山います。そして大人になり社会人になって働き始めたけれども、自分が  感じていることや考えていることがなかなか表現できなくて、適応障害や抑うつ状  態の診断書を持ってくるのです。   *彼らにとっては自分を守るために自己主張してこなかったのですが、その生育歴ま  で会社が配慮することは不可能です。人と話が出来なければ仕事になりません。  更に、本人も何で自己表現ができないのかわからない。  そこでオノマトペでのカウンセリングです。  これは若い世代には感覚的に合うようで、オノマトペでこころの表現をトレーニン  グしていくと、日常会話がそれなりに出来るようになっていくのです。  大人的な言葉では表現できないけれども、オノマトペなら周囲の人も分かってくれ  次第に会話が成立していくのです。  現代社会では、会話の訓練も会社に課せられているのが現状です。 *また、感情のコントロールが自分で出来るトレーニングも必須です。  ストレス気質を持っている人達には、不安気質と執着気質が多く見られます。  不安が強い人達は、何の根拠も無いのに常に最悪のことを考えて、緊張や不安を持  つ考え方の癖があります。  執着心が強い人達は、自分にも他人にも完璧を求めてしまい、そうならないと欲求  不満からストレスを溜め込んでしまう考え方の癖があります。  不安気質の人は、「きっとそうに決まっている」を『必ずしもそうとは限らない』へ  考え方を変換して、不安や緊張・恐怖に囚われた時にはその感情が軽減されるまで  『大丈夫、大丈夫!』と自身に言い聞かせることを習慣化します。  執着気質の人は、「〜すべきだ」「〜ねばならない」を『〜できればいいか』へ変換  して、自分が満足できるハードルを下げる努力をします。そして不満や怒りの感情  に囚われた時には『まあ、いいか』と自身に言い聞かせることを習慣化すれば、ス  トレスを緩和する効果があります。ある医師は『じゃ、ま、いいか』をジャマイカ  療法と呼称して心理教育をされています。 *若者はコミュニケーション力が弱く自己表現ができない、と評論するだけなら誰に  でもできます。  その背景にはどんな生き様があって、今日から何をしたら生活が改善していくのか  の知恵を、オーダーメイドで提示していくのが専門家だと思っています。  本来持っている働く元気を取り戻すために、ひとつでも多くの知恵を届けるために  私は研鑽し続けていく実践家でありたいと思っています。